米サンフランシスコで深まる格差対立、グーグルバスが露呈
中流層や労働者階級層で構成されていた住民が、新興の富裕層に取って代わられることを危惧する声もある。
ニューヨーク・タイムズ紙は、「看護師や教員、アーティスト、ウエーター、バス運転手、警官、ミュージシャン、作家、高齢者の住民がいない街は、単一文化の不毛な町だ」という寄稿を掲載した。
一方で、グーグルバスに対する抗議活動の数日後には、シリコンバレーの起業家がホームレスの多さを嘆くコメントをフェイスブックに投稿して物議をかもしている。この起業家は結局、投稿を削除して謝罪する羽目になった。
対立が深まる中で、グーグルバスは最も目に見えやすい標的として非難の的になったのかもしれない。だが、たとえこのバスがなくなったとしても、問題は解決しそうにない。
専門家は解決に向けた方策として、ハイテク企業を公共交通機関の近くに移転させることや、市が公共交通機関の改善に乗り出すことなどを提案している。