がれきの中の生存者発見へ、NASAが新装置開発
米国では地震が起きたとしてもハイチほど壊滅的なインフラ被害は想定されていない。しかしオクラホマ州やミズーリ州では竜巻で大きな被害が出ているほか、雪崩やハリケーンなどの被災現場でもFINDERの活躍が期待できる。
「広範囲ががれきと化し、生存者が生き埋めになっている場所をうまく捜索できる手段は存在しなかった」「そうした現場にこの装置があれば役に立つ」とラックス氏は言う。
FINDERはまだ試作機が数台あるのみで、実際の現場で使われたことはない。米連邦緊急事態管理庁(FEMA)の作業部会はバージニア州の実験場に自然災害の現場を再現し、テストを進めている。
ただ、実用化のためには民間企業がライセンスを取得して製造・販売に乗り出す必要がある。「誰かが製造してくれることを待ち望んでいる。強要はできないから」とラックス氏。同氏の予想では販売価格は1万ドル(約100万円)程度。あと1~2年で実用化が見込めるという。
同氏はその間に一層の小型化を進め、FINDERを無人機やヘリコプターにも積める大きさにしたい考えだ。