中国で隆興するソーシャルアプリ、国産サービスも充実
こうした中国当局の動きについては、ネット検閲ではないかとの声も上がっているが、識者の間では、国産サイトの保護が目的との見方が有力だ。
中国SNS界の勢力図も変化している。米調査会社フォレスター・リサーチのシャオフェン・ワン氏によると、かつて人気だった「微博(ウェイボー)」に代わり、最近では、「微信(ウィーチャット)」のような携帯端末向けのメッセージアプリが主流になりつつあるという。
同氏によれば、こうしたモバイル化の動きに加え、もう一つの潮流がある。現在、人気拡大中の匿名ソーシャルアプリだ。「秘密(ミーミー)」や「无秘(ウーミー)」といった匿名アプリが有名で、冒頭のペンペンの場合も、ユーザーは匿名と実名の好きな方を使うことができる。
匿名アプリが流行している背景には、やはり、中国政府の厳しい検閲がある。ワン氏は「匿名の方が、ユーザーとしては情報を共有しやすい。ユーザーは表向きニックネームを使うが、その背後にはあくまで本当の人間関係があり、友人や同僚がいる」と指摘する。