記者はもういらない? ロボット・ジャーナリストの台頭
こうした言語生成ソフトウエアの洗練を踏まえ、ナラティブ・サイエンス社の主任研究員クリス・ハモンド氏は、5年以内にロボットがピュリツァー賞を受賞するはずだと大胆な見通しを示す。
商用ニュースだけでなく物語性を含んだ長文の読み物についても、今後はロボット・ジャーナリズムの進出が続くとの考えだ。
もちろん、メディア業界で活躍するロボットはあくまで補助的な役割にとどまっており、人間の記者に取って代わる程ではないとの見方もある。
だが、人工知能が洗練の度合いを増していくに従い、人間だけにできることの領域はどんどん狭まってきていると指摘するのはイスラエルの歴史家、ユバル・ハラリ氏だ。
ハラリ氏はCNNの取材に対し、米検索大手グーグルが開発を進める自動運転車の精度の良さを引き合いに出した。そして、運転手だけでなく医者や教師のような人間的な仕事についても、将来的には人工知能の方が優秀になるのではないかと予測。
「意識を持たないアルゴリズムには手が届かない領域で人間がいつまでも独自の能力を発揮していけるとの考えは、希望的観測に過ぎない」と指摘する。