日本企業が開発のスマートマスク、8カ国語翻訳の機能も
(CNN Business) 日本でロボット製作を進めていたベンチャー企業が、その技術を応用して新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的大流行)に対応した「スマートマスク」を開発し、話題を呼んでいる。
ドーナッツ・ロボティクス社の小野泰助CEO(最高経営責任者)によると、スマートマスク「C―FACE」は通常のマスクの上に装着し、スマートフォンのアプリと連携させて使う。
素材はプラスチックとシリコン。内蔵マイクと自分のスマホを近距離無線通信「ブルートゥース」でつなぎ、音声を文字で表示したり増幅したり、翻訳したりすることができる。
翻訳機能は日本語と英語のほか中国、韓国、ベトナム、インドネシア、スペイン、フランスの各言語に対応。スマホとの距離は最大10メートルまであけられる。
同社は2014年、小野氏とチーフ・エンジニアの岡部崇史氏が福岡県北九州市内のガレージで創業。羽田空港の翻訳ロボット開発プロジェクトに応募し、候補の一社に選ばれた。
羽田空港で試作機をテストするドーナッツ・ロボティクス社の小野泰助CEO=2017年、羽田空港/Kazuhiro Nogi/AFP/Getty Images
拠点を東京に移し、新たに3人のメンバーを採用して、17年には羽田で試作機の実証実験を開始していた。ところが今年、新型コロナウイルス感染拡大でプロジェクトがストップしてしまった。
そこで思い立ったのが、高精度の翻訳技術を応用したスマートマスクの開発だった。6月に日本のクラウドファンディングサービス「ファンディーノ」を通して投資を募ったところ、わずか37分間で2800万円が集まった。さらに先月、同サービスで5660万円を調達している。
12月までには国内で5000~1万枚を発売する。価格は1枚4000~5000円程度。海外での発売は来年4月以降になるが、すでに英国や米国から関心が寄せられているという。