ネットに流れる偽ニュース、保守層の方が信じがちな傾向 米調査
(CNN) 政治的にリベラルな層よりも保守層の方が、SNSに流れる偽ニュースを本当だと信じてしまいやすいという調査結果が2日に発表された。右派の方が偽ニュースの標的にされやすいだけでなく、そうしたニュースを信じてしまう傾向があることが、改めて裏付けられている。
調査はオハイオ州立大学のコミュニケーション専門家が実施。ニュースやSNSの記事を分析するシステムを開発し、2019年1~6月にかけてボランティア1200人を対象に、SNSモニタリングサービスの「YouGov」を使ってニュースに対する反応を調べた。
研究チームは2週間ごとに、その前の7日間で最も注目されたニュース記事5000本に対するSNSでの反応を調べ、それぞれの記事について真偽の確認を行った。
その結果、特に拡散が多かった記事は保守層にアピールする傾向があることがわかった。一方、リベラル寄りの内容の記事は10%にとどまった。
「分析の結果、幅広い政治問題に関して真偽を見分ける能力の低さや、全ての主張が本当だと信じる傾向と、保守主義との関係が示された」「SNSで注目を集めた真実の主張は左寄りの傾向、偽の主張は右寄りに大きく偏る傾向があった」
研究チームはそう報告し、「これで右寄りの偽情報の供給を減らすことの重要性が裏付けられた」としている。保守層は真実の記事をあまり信じない傾向があることも判明した。
研究チームは新型コロナウイルスのパンデミックに関連した情報や偽情報についても同様の研究を行っている。同研究チームは、保守層の方が、パンデミックやワクチンに関する偽情報にだまされやすいのではないかと考えているという。