勾留中に死亡のマカフィー被告、「自殺念慮なかった」 妻が米当局を非難
(CNN) 米インターネットセキュリティー大手マカフィーの創業者、ジョン・マカフィー被告(75)がスペインの拘置所で死亡した件で、被告の妻は25日、夫に自殺念慮はなかったと述べ、被告の身柄引き渡しを要求していた米当局を非難した。
マカフィー被告は23日、バルセロナ近郊の拘置所の監房で死亡しているのが見つかった。被告は昨年米国で脱税の訴追を受け、引き渡しを待つ状況だった。
妻のジャニス・マカフィー氏は拘置所前で記者団の取材に応じ、徹底調査を要求。「どうしたらこんなことが起きるのか、答えを知りたい」と訴えた。
バルセロナを州都とするカタルーニャ州の裁判所は今週、CNNに対し、マカフィー被告の死因は調査中だと説明していた。ジャニス氏の弁護士によると、現在は当局の検視を待っている状況で、2度目の独立した検視も要求する考えだという。
ジャニス氏の声明では「今回の悲劇の責任は米当局にある。政治的動機に基づく訴追のせいで私の夫は死んだ」と述べ、「夫の最後の言葉は『愛している。夕方に電話する』というものだった」「彼がこんな形で世を去ること、自殺することはあり得ない」としている。
匿名でCNNの取材に応じた拘置所関係者によると、マカフィー被告の監房には他にも1人が収容されていたものの、遺体発見の時間帯には監房内にいなかったという。
マカフィー被告は昨年10月にスペインで逮捕された。その数カ月前には米国で脱税罪での訴追を受け、2014~18年に暗号資産(仮想通貨)のプロモーションやコンサルティング業、講演料などから得た多額の収入の申告漏れがあったと指摘されていた。金額は明らかにされていない。