中国当局、新たに大手ハイテク企業を調査 前日には滴滴の配信停止
香港(CNN Business) 中国ネット規制当局は5日、3つの大手ITサービスを対象にした調査を行っていることを明らかにした。国家的なデータのセキュリティーに懸念があるためとしている。
前日には配車サービス最大手、滴滴出行(ディディチューシン)のアプリのダウンロードを停止する措置が取られていた。
今回調査対象となったのはトラック配車サービスの運満満(ユンマンマン)と貨車幣(フオチェバン)、求人サイトのBOSS直聘(ボス・ジピン)の3つのサービス。調査が行われている間、新規ユーザーはこれらの企業のアプリへの登録ができなくなる。
いずれのサービスの運営会社も最近米株式市場に上場していた。米中間では地政学的緊張の度合いが依然として高く、中国当局は以前からハイテク企業への締め付けを強めている。
運満満と貨車幣はともに「トラック版ウーバー」を自称。2017年には統合して新会社「フルトラックアライアンス」を設立した。先月、ニューヨーク株式市場への上場を果たし、現在の評価額は210億ドル(約2兆3000億円)。
BOSS直聘は中国最大の人材マッチングプラットフォームの一つで、親会社がやはり先月ニューヨーク株式市場に上場。評価額は150億ドルとなっている。
中国ネット規制当局は声明で、調査の目的として「国家的なデータのセキュリティーに対するリスクの防止、国家安全保障の維持、公共の利益の保護」を挙げている。
フルトラックアライアンスは声明で、調査に積極的に協力するとしたうえで、自社のネットワークのセキュリティーを徹底的にチェックする方針を示した。