米メディアにサイバー攻撃、中国のスパイが関与か
ニューヨーク(CNN Business) 米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)を傘下に持つ米ニューズ・コーポレーションは7日までに、「継続するサイバー攻撃」を受けていたと明らかにした。サイバー攻撃について調査を行った企業によれば、攻撃は中国のスパイが行っていた可能性がある。
情報筋2人によれば、記者数十人がサイバー攻撃の対象となった。中国関連の題材を扱っていた記者や編集者が集中的に狙われたようだという。
ニューズ社はサイバー攻撃の調査にセキュリティー企業のマンディアントを雇った。マンディアントによれば、ハッカーは中国の国益にかなう諜報(ちょうほう)を収集するためのスパイ活動に関与している可能性が高い。
今回のサイバー攻撃は少なくとも2020年2月には始まっていたとみられる。WSJ紙の記者が使っていた電子メールのアカウントや「グーグル・ドライブ」の文書が攻撃を受けた。
さまざまな国家が支援するハッカーは政府や企業の諜報を求めて記者を標的とすることが多い。このため、記者の多くは電子メールで機密性の高い情報に言及することはない。
在ワシントン中国大使館の報道官は、サイバー攻撃について承知していないとし、「中国はあらゆる形態のサイバー攻撃やサイバー窃盗に断固として反対し、戦う」と述べた。
米連邦捜査局(FBI)のレイ局長は先ごろ、他のすべての主要国を合わせたよりも大規模で洗練されたハッキングプログラムを行っているとして中国を非難していた。