コインベースが従業員の18%を解雇、「暗号資産の冬」を警告
ニューヨーク(CNN Business) 米暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームのコインベースは、暗号資産市場の崩壊が続く中、従業員の18%を解雇する方針を明らかにした。
ブライアン・アームストロング最高経営責任者(CEO)は14日、従業員約1000人を解雇する「難しい決断」は、「不況の中で健全性を維持する」ためだと述べた。同社ウェブサイトによると、従業員数は4900人を超える。
アームストロング氏は不況が迫っていると警告したうえで、それにより暗号資産のこのところの下げ相場が拡大する可能性があるとした。
「好景気が10年以上続き、我々はいま不況に突入しているようだ」と指摘し、「不況はさらなる暗号資産の冬につながる可能性があり、長期にわたって続くかもしれない」と述べた。
コインベースの市場価値は崩壊している。インフレ対策の金利の急激な上昇を見越してリスクのある資産を引き上げようと、投資家が暗号資産を売り続けているためだ。
暗号通貨ビットコインは昨年11月に史上最高値の6万9000ドル(現在のレートで約930万円)を記録した。それ以来、価格は3分の1に低下し、14日には2万3000ドルを割り込んだ。10日以降は約25%下落した。
一方、コインベースの株価は今年約80%低下、昨年4月の新規株式公開以来85%下落している。かつて1000億ドルほどだった同社の時価総額は現在120億ドル以下だ。
ブログ投稿の中でアームストロング氏は、昨年初めに暗号資産取引がブームとなり、同社が「急速に成長しすぎた」ことを認め、「雇用しすぎたことは明らかだ」と述べた。
同業他社も苦戦している。セルシウス・ネットワークは13日、「極端な市場環境」のため全ての引き出しと取引を停止していると明らかにした。