マスク氏、ウクライナ通信網で米政府に負担求める書簡を撤回
(CNN) 米宇宙ベンチャー「スペースX」のイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は17日のツイートで、同社がウクライナに無償で提供してきた衛星通信サービス「スターリンク」について、米国防総省に費用負担を求めていた書簡を撤回したと発表した。
スペースXは先月、ウクライナに向けたスターリンクの端末とサービスの無償提供を無期限に続けることはできないとして、国防総省への書簡で負担の引き継ぎを要請していた。
CNNは独占記事としてこれを報じたうえで、ウクライナでのスターリンクの費用はスペースXだけが負担するわけではなく、多数の国際団体が大半をカバーしていることを指摘した。
マスク氏は15日、ツイッターに「もうどうでもいい」と投稿し、一転してサービス提供を続ける姿勢を示唆。17日のツイートではさらに一歩踏み込み、国防総省への要請を撤回する手続きが取られたと言明した。
スペースXと国防総省のやり取りを知る関係者2人はCNNに、同省が14日の時点でいったん要請を受け入れていたことを明らかにした。合意していた金額は明らかでない。
一方で米国防当局高官は17日、マスク氏のツイートに先立ち、「国防総省は現時点でスペースXに何も支払っていない」と語った。
この問題は欧州連合(EU)の外務理事会でも17日、非公式の議題として取り上げられ、一部の国がスターリンクの必要性を重視する立場から、資金拠出に意欲を示したという。