「マスク氏が嫌う相手」にトランプ大統領言及、巨額AIプロジェクト批判の発言めぐり
(CNN) 米国のドナルド・トランプ大統領は23日、自身が打ち出した5000億ドル(約78兆円)規模の人工知能(AI)プロジェクトに対して実質的な側近のイーロン・マスク氏が疑問を投げぶつけたことをめぐり、マスク氏とオープンAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)の争いに言及した。
オープンAIやソフトバンクが出資する巨額AIプロジェクトはトランプ氏が21日にホワイトハウスで発表。その直後にマスク氏はX(旧ツイッター)への投稿で、参加企業にそれだけの資金が拠出できるのかと疑問を投げかけた。
トランプ大統領は23日にホワイトハウスで行った記者会見で、マスク氏のこの発言について「彼はあの中の1人が嫌いなんだ」とコメントした。この1人とはアルトマン氏と思われる。「私はイーロンと話をした。しかし実際のところ、あの全員と話をした。ものすごく頭のいいひとたちだ。だがその中の1人は、たまたまイーロンが嫌っている相手だった。私にもある程度人々への憎しみはあるが」とトランプ氏は続けている。
マスク氏はトランプ大統領が巨額投資を発表した直後の投稿で、「実際のところ彼らにその金はない。ソフトバンクが確保しているのは100億ドルを大幅に下回る」とコメントしていた。
トランプ氏は23日、このコメントについて記者団に質問され、「そうなのかどうか私は知らない。だが彼らは資金を拠出する。政府は何も出さない。彼らが資金を出す。彼らは金持ちだから、そうしてくれることを願う」とした。
マスク氏の投稿をめぐっては、アルトマン氏とマスク氏がX上で言い争いを展開している。オープンAIと裁判で争っているマスク氏は、アルトマン氏がかつてトランプ氏を批判したXの投稿を引き合いに出していた。