エヌビディア新製品でアキバ大混乱、背景に米中対立 輸出規制で買えない中国ゲーマーが殺到
パソコン工房の発表によると、1月30日に秋葉原店でGeForceシリーズの「RTX 5090」10基と「RTX 5080」47基などを抽選販売すると発表したところ、想定をはるかに上回る客が詰めかけた。
SNSに投稿された動画には、店の前の歩道に数百人がひしめいて押し合いになり、車道にまではみ出す様子が映っている。
順番に列に並ぶようにという店のスタッフの呼びかけは無視され、少なくとも1人の男性がフェンスをよじ登って隣の幼稚園に侵入した。地元メディアの報道によると、幼稚園の看板は半分折られていた。店は店頭販売を中止してネット上での抽選に切り替えた。
エヌビディアは以前から、米国の輸出規制に従って中国向けの製品を改造している。
ロイター通信によれば、エヌビディアが昨年中国で発売した「RTX 4090D」のゲーム性能は、他国向けの「RTX 4090」に比べると5%低速だった。
中国以外の国で発売された新製品の「RTX 5090」は、毎秒3352兆回 (TOPS) の演算処理性能を実現。これに対して中国で販売されている「RTX 5090D」のTOPSは2375兆回と、29%ほど下回る。
RTX 5090の販売価格は米国が1999ドル(約30万円)、日本はおよそ2600ドル。中国のRTX 5090Dは約2270ドルで販売されている。
中国の再販業者は国外で調達した製品を売り出しており、中国の通販サイト「淘宝(タオバオ)」では最大で5700ドルの値段が付いている。