米海兵隊、「空に浮かぶ空港」で滑走路再建へ 米カリフォルニア州
(CNN) 米海兵隊は来年初め、カリフォルニア州カタリナ島の空港に100人超の部隊を派遣し、主滑走路の再建に取り組む。「空に浮かぶ空港」と呼ばれる施設は80年近く前に建設されたもので、約910メートルの滑走路が敷かれている。
カタリナ島管理委員会(CIC)によれば、民間の契約業者が12月から工事に着手する予定。
1月には本土からボートやヘリコプターで海兵隊が到着する。野戦さながらの駐屯地を設け、500トンに上る装備品を持ち込むという。
最終的には、耐久性を増したコンクリートの滑走路が建設される見通しだ。
CICのトニー・ブドロビック最高経営責任者(CEO)は、「この改修プロジェクトで75年以上にわたり空港を稼働していけるようになるのではないか」と話す。
滑走路は2つの山頂を切り開いて作られたもので、海抜約490メートルの位置にある。完工時には中央部が両端よりも若干高くなる見通しで、滑走時のパイロットは端が見通しにくくなる可能性がある。
CICはこの滑走路について、空母着艦時のような感覚をパイロットに与えるとしている。
海兵隊にとっては、カタリナ島で滑走路を建設することで、将来的に島しょ部が激戦地となった場合に備えた訓練を積むことができる。CICにとっても多額の資金節約につながりそうだ。
「空に浮かぶ空港」はカタリナ島の住民や観光客にとって重要なライフラインとなっている。
ただ、カタリナ島を訪れる年間100万人の大半はボートを使う。島の商工会議所によると、2018年の最初の9カ月で同空港を利用したのは1万3000人のみだった。