中国政府、台湾への個人旅行を禁止
香港(CNN) 中国文化観光省は7月31日、中国国内47都市から台湾への個人旅行を認める制度を8月1日から一時的に停止すると発表した。台湾との緊張が高まる中で、実質的に中国本土から台湾への個人観光旅行を全面的に禁止する。
中国本土から台湾への出張や団体旅行は引き続き認められる。
台湾への個人旅行を認める制度は、台湾と本土の関係を強化する狙いで北京や上海など3都市で2011年6月から試験的に導入され、後に47都市に拡大された。
しかしこの数カ月は、米国から台湾への兵器売却や香港の民主化デモ、台湾の蔡英文(ツァイインウェン)総裁の訪米などを巡って関係が悪化していた。
来年の総統選挙で再選を目指す蔡氏は、中国との関係を巡る強硬姿勢を強めている。
7月に訪米した蔡総裁は、香港の民主化デモを支持する姿勢を鮮明にし、「台湾は断固として民主主義を守る」と言明していた。
これに対して中国政府もこの2年間で蔡政権に対する強硬姿勢を強め、台湾の対岸で実弾演習を実施、台湾の「再統一」のためには武力行使も辞さないと通告していた。
7月24日に中国政府が発表した国防白書では、蔡政権を国家の安全と社会的安定を脅かす脅威と位置付けている。