宮島に「入島税」の導入目指す 新市長が表明
(CNN) 世界遺産の厳島神社で知られる広島県・宮島で、観光客を対象とする「入島税」の導入に向けた検討が進んでいる。
10月に実施された地元・廿日市市の市長選で、入島税導入を掲げた松本太郎氏が当選した。同氏は記者会見で、島を引き続き観光地として維持整備するために新たな財源を確保する必要があると強調し、2021年の税導入を目指すと語った。
金額は1人100円程度。徴収方法としては、島へ渡るフェリーの乗客または運航業者に課税する、観光施設の利用者から直接集めるなどの案が検討されている。
宮島は広島からフェリーに乗り、日帰りで訪れることができる観光名所として人気が高い。昨年の来島者は431万人に上った。来夏の東京五輪に向けて、日本を訪れる外国人観光客は急増している。
一方で島の人口はこの10年で約1000人減って、2015年の時点で1674人。国内のほかの地域と同様に高齢化が進み、税収は減少の一途をたどっている。
観光地に想定以上の旅行者が集まり、整備や混雑抑制のために観光税などを課す動きは世界各地でみられる。
インドネシアのバリ島は今年、観光税導入の方針を発表した。同国のコモド島は観光客の立ち入りを禁止する計画だったがいったん撤回し、代替措置として人数を制限すると表明した。
アムステルダムではホテルの宿泊税を1泊300円以上引き上げる案が可決され、欧州で観光税が最も高い都市となった。