寄生バチの軍団でガを駆除へ 英国の歴史的邸宅で試み

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イングランド東部ノーフォークにあるブリックリング・ホール/Chris Humphries/Shutterstock

イングランド東部ノーフォークにあるブリックリング・ホール/Chris Humphries/Shutterstock

(CNN) 英イングランド東部ノーフォークにある歴史的な大邸宅で、屋内に広がるガの駆除に寄生バチの群れを用いる試みが始まる。

邸宅は16世紀に即位したイングランド女王、エリザベス1世の母アン・ブーリンの生家「ブリックリング・ホール」で、ガの一種イガの侵入を抑え込めない状況にある。イガはカーペットや家具、衣服などのウールやシルクの製品にダメージを与える。

ガへの対抗策として、邸宅の管理人は「トリコグラマ・エバネッセンズ」という体長約0.5ミリの寄生バチを宅内に入れる。

ほとんど人間の目には見えないこのハチは、ガの卵を探してその中に自分の卵を産みつける。そして卵からはガの幼虫ではなく寄生バチがふ化する。

管理人によれば、使命を果たしたハチはその後死に、家のちりに紛れて消える。この種の防虫対策が歴史的遺産の内部で行われるのは初だという。

同邸宅を管理する「ナショナル・トラスト」のヒラリー・ジャービス氏は「この先駆的な対策が、われわれが管理する全ての建物での防虫対策で使える、実用的で持続可能な方法となることを心から期待する」と語る。

「こうしたケースはまれだが、ガはときに通常の穏当な方法では効き目がなく、深刻な結果を招く恐れがある」(ジャービス氏)

トラストによると、ハチは小さなカード型の分配器で提供され、室内につり下げたり、引き出しに置いたりする形で利用可能だという。

ブリックリング・ホールは古くは11世紀の土地台帳「ドゥームズデー・ブック」にも登場し、その後ロンドン市長のジェフリー・ブーリンが所有した。ブーリンの孫のアン・ブーリンがここで生まれ、ヘンリー8世の2番目の王妃としてエリザベス1世の生母となった。

同邸宅はイングランドでの3度目のロックダウン(都市封鎖)を受けて閉鎖中。「閉鎖中は虫が増えやすい。害虫の監視は今年の重要課題の中で優先度が高い」とジャービン氏は語る。

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