飛行機の機体もリサイクル 退役航空機の解体作業を追う
有用な装置、部品は残らず回収
LVAが解体場所であるイングランド西部ケンブル近くのコッツウォールド空港に到着すると、エアフィンは(エア・サルベージ・インターナショナルの協力を得て)LVAの部品をさまざまな種類に分別し始めた。
エアフィンのオペレーションズ・ディレクター、サイモン・ベイリス氏によると、まず、LVAの着陸装置のように航空会社に返却するものや売却するものを取り外すという。その中には通常、航空電子機器(通信、衝突回避、天候、その他操縦室内の機器などに使用されるシステムなど)が含まれる。
「次に、いわゆる主要な資源や構造体、例えば、補助電源装置(APU)、着陸装置、逆推力装置、エンジン室などを取り外す。その次がいわゆる操縦装置だ。これは基本的にフラップ(下げ翼)や方向舵を指す。そして内装部品だ。座席から機内の装備品、コーヒー・ティーメーカー、トイレ、調理室などすべてだ。それが終わると基本的に機体だけが残る」(ベイリス氏)
そこから、操縦室をシミュレーターとして再利用するために機体から切り離したり、ドアも客室乗務員の訓練用設備として利用するために取り外すこともある。
他はすべて、4種類の再利用可能な材料か廃棄物に分別される。その4種類は、まず金属(スチール、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、その他)、そして操縦室の窓ガラス、タイヤといった再利用可能なもの、さらに消火器やバッテリーといった危険な部品、そして最後が内装部品や座席などの複合材料だ。
LVAの解体に関する話は以上だ。取り外された有用なシステムや部品は、その後も乗客の役に立ち続ける。残りも売却用に取り外され、機体に使われていた素材もまた何かに再利用される。もしかすると新たな航空機に使われ、いつかまた空を飛ぶ日が来るかもしれない。