グーグルマップ、「死の可能性」のある登山ルートに誘導 英団体が警告
(CNN) 英スコットランドの複数の登山団体はこのほど、ベンネビス山などの登頂を目指す登山客がグーグルマップによって「死に至る可能性」のあるルートに誘導されていると警告を発した。
英ジョン・ミューア・トラストは15日、グーグルマップの利用者が「経験豊富な登山者にとっても非常に危険」なルートに誘導されるリスクが増えていると明らかにした。
ベンネビス山はブリテン諸島で最高峰の山で、標高は1345メートル。毎年数千人が山頂にたどり着くが、登頂には危険が伴い、今年も複数の死者が出ている。
ジョン・ミューア・トラストによると、問題はグーグルマップが一部の登山客を「アッパーフォールズ」と呼ばれる駐車場に誘導していることにある。
山頂に最も近い駐車場のためだとみられるが、これは正しいルートではない。不慣れな登山客がスティール滝の方に向かったり、山頂につながるルートだと勘違いして南斜面を登ったりする例が多く見られるという。
別の登山組織マウンテニアリング・スコットランドも、グーグルマップの提案するルートは「死に至る可能性」があると警告した。
同組織によれば、グーグルマップで「ベンネビス」と入力して自動車アイコンをクリックすると、ネビス峡谷の駐車場に誘導され、そこから山頂に至るルートが点線で表示される。
ただ、このルートはどれだけ経験豊富な登山者にとっても難しい。険しく岩がちな道なき場所を抜けるため、視界良好な時でも安全なラインを見つけるのは困難であり、悪天候の場合には死に至る可能性もあるという。
グーグルの広報はCNNに対し、苦情内容の調査を行っていると明らかにした。