豪、1年8カ月ぶりに国境再開 帰国し喜びの抱擁や涙する姿も
シドニー(CNN) オーストラリアは1日、約1年8カ月ぶりに、新型コロナウイルス感染症の流行抑止に向けた規制を緩和し国境を再開した。シドニーやメルボルンの空港では人々が抱擁や涙を交えて再会の喜びを分かち合う様子が見られた。
オーストラリアは2020年3月に最初に国境を閉じた国のひとつとなった。新型コロナウイルスの流行が始まった直後から市民と永住者だけに入国を認め、2週間の宿泊施設での隔離を求めた。毎日到着できる人数も厳しく制限した。
オーストラリアでは今年9月から10月かけてワクチン接種が進み、モリソン首相は2度のワクチン接種を受けた市民と永住者に対し、海外への旅行や帰国を認めると明らかにしていた。到着人数の上限も撤廃される。
メルボルン空港の国際線到着ロビーにも帰国者の姿が見られた=1日/James D. Morgan/Getty Images
今のところ、海外からの到着に関する規制が緩和されたのは、ワクチン接種率の高いニューサウスウェールズ州とビクトリア州に限られている。大都市シドニーとメルボルンを抱える両州では成人の80%以上がワクチン接種を終えている。
一部の帰国者はまだ自宅に帰れない。シンガポールからシドニーに到着したパイロットの男性は、規則により隣州クイーンズランド州に入れないため、ブリスベンの自宅に戻れないと語った。今後ニューサウスウェールズ州リズモーにある親戚の家に身を寄せるという。
国境政策をめぐる議論はこの1年、より激しさを増してきた。一時は、隔離施設や国際便の不足から数万人のオーストラリア人が何カ月にもわたり海外から帰国できない状況ともなっていた。