いにしえの名勝ブータン横断路、60年ぶりに観光客の受け入れ再開へ
同財団の代表者によると、意欲的な徒歩旅行者は約1カ月で全ルートを制覇でき得る一方、大半の旅行者はより短い区間を3、4日もしくは7日の小旅行で楽しむことになる可能性が高いという。
41歳のジグミ・ケサル・ナムゲル・ワンチュク国王が率先して復旧に努めた横断路は、かつて仏教徒の巡礼路として使われていたものの、1960年代に道路建設が始まると荒廃してしまっていた。
ブータン当局は「高価値、低負担」を掲げる自国の観光戦略により、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)以前は例年、訪問者をわずか数千人程度に均等化させている。また観光客が押し寄せる「オーバーツーリズム(観光公害)」を回避するという目標の一環として、当局は移動費や宿泊費、食費やガイド料などを含め、1日当たり250ドル(約2万9000円)の徴収を義務化。この費用が、訪問を望む多くの人々にとって高い壁となっている。
ブータン旅行を計画するに当たっての難点となり得るのは、同国は現在、観光客に門戸を閉じているということだ。ただ、同国は2022年春に全面的もしくは部分的な再開に向けて動いているとのうわさが飛び交っていることから、ブータン横断道に関する今回の出来事のタイミングは吉報を示唆しているのかもしれない。