スペインの国鉄、9月から一部無料に 燃料の高騰に対応
(CNN) スペインのペドロ・サンチェス首相は、9月から国鉄レンフェが運行する列車に無料で乗車できるようにすると発表した。同国ではエネルギー価格の高騰やインフレ率の上昇に対応して、既に国有公共交通機関の運賃が半額に値下げされている。
首相の発表によると、レンフェが運行するセルカニアス、ロダリエス、メディア・ディスタンス(各駅停車および中距離列車)は、複数回乗車券が9月1日~年末無料になる。
公共放送TVEによれば、片道切符や長距離列車は無料化の対象外。複数回乗車券には、10回以上の往復が可能な乗車券も含まれる。
スペイン運輸省はこれについて、燃料価格が上昇し続ける異常な状況の中で、通勤などに公共交通機関を最大限に利用してもらうための措置と位置付けている。
スペイン政府はこの発表の直前に、国有公共交通機関の運賃を半額にすると表明していた。
欧州で公共交通機関の値下げに踏み切った国はスペインだけではない。
先月はドイツが緊急救済策の一環として、月額9ユーロ(約1240円)で公共交通機関のローカル線が乗り放題になる切符を発売した。期限は8月末まで。
オーストリアは2021年、国内の全公共交通機関に乗車できる破格の環境乗車券「クリマチケット」を導入した。自家用車の使用を減らすことを狙った措置で、価格は年間1095ユーロ。