救助費用と葬儀代の預け金、モンブラン登山客に要求 フランス側自治体が表明
(CNN) 欧州最高峰のモンブランに挑む登山客に対し、救助や葬儀が必要になった場合に備えて1万5000ユーロ(約200万円)の預け金支払いを求める計画を、フランス側のふもとの町サンジェルベレバンの町長が発表した。
サンジェルベレバンのジャンマルク・ペイレックス町長は、リスクを軽視する登山客に業を煮やし、その資格もないのに命の危険を冒してモンブランに挑む登山客が多すぎると批判。このところの猛暑でモンブランは一層危険な状態になっていると訴えた。
町長はツイッターに投稿した声明の中で「一部の人たちの無責任さと、そのために救助隊が出動しなければならないリスクに対応した措置を講じる」と強調。預け金の1万5000ユーロは、平均的な救助費用(1万ユーロ)と葬儀代(5000ユーロ)に相当するとしている。
「フランスの納税者がそうした費用を負担することは容認できない」と町長は述べ、今登山すれば「死を背負って」の登山になると言い添えた。
中でもモンブランの王道登山ルートにある「グーテ」区間は、別名「死の回廊」とも呼ばれ、極めて危険が大きいことから絶対に使わないよう呼びかけている。
モンブラン登山は、落石や干ばつ、熱波によって危険が高まっている。
7月には50人ほどの「エセ登山家」がこのルートを通る「ロシアンルーレット」のゲームに興じたと市長は非難。7月30日には山頂を目指そうとしたルーマニア人の一行に対し、ヘリコプターからメガホンで呼びかけて引き返させたとしている。