ボーイング747 空の旅に変革をもたらした「空の女王」

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最後のボーイング747がボーイングの工場を出る様子=6日、ワシントン/Paul Weatherman/Boeing

最後のボーイング747がボーイングの工場を出る様子=6日、ワシントン/Paul Weatherman/Boeing

細くて長い機体とは違い、キャビンは複数の「部屋」に分けられ、調理室や化粧室が仕切りとして設置された。

そして、この機体の形が半世紀近くにわたって長距離の空の旅の定番となっている。

空港も規模を拡大

1960年代の国際航空路線は、ボーイング707やダグラスDC―8が主力だったが、747の機体はそれらよりもはるかに大きかった。

空港では数百人もの乗客を乗せたジャンボジェット機が次々と発着するため、各空港は搭乗ラウンジ、チェックインカウンター、ターミナルを拡張するなど、対応に追われた。

当時はどの国際線航空会社も747を運航する航空会社という名声を欲していたため、複数の747が同時に到着することになり、既存の税関や出入国審査場はすぐに大混雑となった。

また地上支援装置(GSE)の増強も必要になった。飛行機牽引(けんいん)車も340トン以上という747の桁違いの重量に対応するため大幅に大型化した。

またケータリングトラックもタラップのはるか上に位置するドアに届くように改造され、給油タンク車も巨大な翼の下側にある給油口までホースを伸ばす必要がある。

優れた貨物機

747が設計された当時、航空業界では超音速旅客機(SST)が将来の航空機になると考えられていた。

60年代の専門家たちは、747の旅客機としての寿命は短く、いずれ音速の数倍の速さで飛行する航空機に取って代わられると予想していた。そこで747の設計者らは、747が将来も利用され続けるように貨物機に改造した。

747のメインデッキは約6メートルの幅があり、標準的な貨物専用コンテナを2つ積み込める。また貨物の積み込みを容易にするために、747型貨物機の機首は上向きに折れ曲がるように開く。

そのため、操縦室はメインデッキの上に配置する必要があった。747の操縦室のすぐ後ろに特徴的な「こぶ」があるのはそのためだ。

結局、ボーイングのSSTプロジェクト(ボーイング2707の開発)は71年に中止されたが、747に関しては、過去半世紀に1570機以上が製造された。

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