クリスタル・キャビン・アワード、最終候補に選出された革新的なアイデアを紹介

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「スカイネスト」は長距離路線に乗るエコノミークラスの乗客がゆっくりと眠れるように考案された/Air New Zealand

「スカイネスト」は長距離路線に乗るエコノミークラスの乗客がゆっくりと眠れるように考案された/Air New Zealand

(CNN) キャビン中央部の座席を完全に取り除いたものから、機内の通路が1本のナローボディー機のビジネスクラスを新たな次元に引き上げたしゃれたデザインのものまで、今年のクリスタル・キャビン・アワードのショートリスト(最終候補)に選出された座席のコンセプトは、航空業界における未来の可能性が垣間見えるものとなっている。

クリスタル・キャビン・アワードは毎年、機内での体験を再構築する革新的なアイデアを表彰。賞のカテゴリーは8部門あり、ドイツのルフトハンザ航空による人工知能(AI)を使った食品廃棄アプリといった環境に優しいイノベーション(技術革新)から、大学の教室で生まれた次世代のコンセプトまで、あらゆるものにスポットが当てられている。

クリスタル・キャビン・アワード協会の広報担当者、ジュリア・グロッサー氏は、今年のショートリスト入りしたコンセプトについて、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)ピーク時の不確実性を経て、航空業界が危機を脱しつつあることを示唆していると述べた。

グロッサー氏は「航空会社、メーカー、サプライヤーは、機内用品に再び多額の投資を行っている」とCNN Travelに語り、「ベッドから接続性の向上まで、エコノミークラスでも目に見える重要なイノベーションが起きている」と指摘した。

機内イノベーション

ショートリスト入りしたコンセプトの一つが、ニュージーランド航空の「スカイネスト」だ。6基のフラットな3段ベッドで構成されたスリープ・ポッドというコンセプトは、長距離路線に乗るエコノミークラスの乗客が、ゆっくりと眠れるように考案されたものだ。

ニュージーランド航空の航空機プログラム責任者であるケリー・リーブス氏は、CNN Travelに対し、ニュージーランドは世界地図で見ると下に位置する小さな国であるため、同国が世界とつながり、観光客が美しいニュージーランドを訪れるためには、長距離移動は必須であると語っている。

スカイネストを開発した背景には、乗客は「キャビンに関係なく十分に休めるべきだ」というニュージーランド航空の信念がある。ポッドは3段ベッドが2列配置され、約4時間予約可能という。

ニュージーランド航空は数年前からスカイネストの開発に取り組んできたが、そのコンセプトは2020年に初めて明らかにされた。リーブス氏によると、同社は現在、スカイネストを新仕様のボーイング787型機に導入するため、認証やエンジニアリングに取り組んでいる。

スカイネストのほかにも、ニュージーランド航空はいくつかの試作品を作成している。同社は、ドイツのハンブルクで今年開催されるエアクラフト・インテリアズ・エキスポ(クリスタル・キャビン・アワード協会が23年のアワード受賞者を発表する航空シンポジウム)に試作品の一つを持ち込めるかどうか、現在検討中だという。

このほか、航空機用シートの製造を手掛けるアディエント・エアロスペースがボーイング・エンコア・インテリアズと共同でデザインした「フロントロウ・ビジネスクラス・リトリート」などもショートリスト入りしている。

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