クリスタル・キャビン・アワード、最終候補に選出された革新的なアイデアを紹介
ユーフォニーは個人用のヘッドセットを必要としない。代わりに各座席のヘッドレストにスピーカーを設置。乗客は音量を調整することで、隣の乗客に聞かれたり邪魔されたりすることなく、機内エンターテインメントを楽しむことができるという。
CNN Travelは、昨年開催されたエアクラフト・インテリアズ・エキスポでこのコンセプトをテストし、こう結論づけた。「ユーフォニーは、ノイズキャンセリングヘッドホンの繭(まゆ)に包まれているような体験に代わるものではない。だが、快適なセットアップで、ソファで映画を鑑賞する体験に近い」
次世代のアイデア
クリスタル・キャビン・アワードの「大学」部門では、次世代の航空デザイナーのアイデアをうかがい知ることができる。
例えば、スコットランド出身でサバンナ芸術工科大学を卒業したジョシュア・ニルソン氏による「チルダ・アビエーション・コンセプト」。このコンセプトは、ニルソン氏が大学の卒業論文として発表したもので、グループ旅行に最適なプライベートな機内スイートルームをイメージしたものだ。
スイートルームは、四つの座席を向かい合わせに設置したり、フラットなベッドに変えたりすることができる。
このコンセプトについて、ニルソン氏は、家族旅行の楽しい思い出から着想を得たとCNN Travelに語っている。
「エコノミークラスからファーストクラスに至るまで、機内での体験は個別であるよう設計されているが、私にとっての旅はそうではない。つながりを設計の中心に据えたかったので、グループ旅行に最適な航空スイートを作った」(ニルソン氏)
ニルソン氏は最近スコットランドに戻り、自身のデザイン事務所を設立した。クリスタル・キャビン・アワードで注目されることで、このコンセプトが実現することを期待しているという。
クリスタル・キャビン・アワードのファイナリストは5月に、受賞者は6月に発表される。