奈良の鹿、頭数増えた オーバーツーリズムの恩恵?
一方で、人に慣れ過ぎて、観光客の手からせんべいを奪うようになった鹿もいるという。
鹿と人間の数が増えれば問題も増えると山崎氏は話し、ここ数年は、人が鹿に押し倒されたりかまれたりする事故が増えていると言い添えた。
鹿が頭を下げる行動は奈良特有の現象で、ほかの地域の鹿には見られない。
観光客の中には、鹿をなでたり仲良く触れ合おうとする人もいるという/Carl Court/Getty Images
奈良公園の鹿について調査した奈良女子大学の遊佐陽一教授は、「はるか昔、奈良の都で鹿は人が怖いからとストレスを感じておじぎをしていたが、徐々に観光地化し、ヒトから鹿せんべいがもらえると学習した鹿は催促の意味合いでおじぎをし始めたのではないか」と推測している。