「世界で最も透明な湖」に迫る汚染、観光客が靴を洗うよう指示される理由 NZ
これを受け、環境保全省と各種の非営利団体は協力して、ルート沿いにバイオセキュリティー対策を導入。リンダビアが生息する湖のそばに洗浄施設を設置し、ハイカーに向けた注意喚起の看板で、ロトマイレフェヌアに新しい種を持ち込んでしまうことを防ぐため、靴や装備を洗浄するよう求めている。
「機会と責任」
ロトマイレフェヌアは国立公園の一部であることから、訪問者数の制限は難しく、環境保全省もそうした措置は望んでいない。むしろ同省が発したいのは、手つかずの環境を楽しんでほしいが、より大きな影響も考慮してほしいとのメッセージだ。
小屋の管理人として働いていた時、グリフィンさんの仕事にはごみ拾いとトイレ掃除も含まれていた。「人の数が増えた結果、トイレを空にしなければならない回数が増えた」とグリフィンさんは語る。「それにヘリコプターの費用や、奥地にヘリコプターを飛ばすことで発生する炭素排出量もある。奥地へ向かう人の数を考えると、こうしたこと全てを考慮する必要が出てくる」
だが同時に、「人々に現地を訪れて楽しみ、湖を見てほしい、あそこに座って湖と一緒に過ごしてほしい」との思いもある。思い出すのは最初のころの訪問の記憶だ。「現地に着いて湖畔に立つと、何か特別なものを感じる。どこまでも静謐(せいひつ)だ。鳥の声がたくさん聞こえるが、水は穏やかで、水中を覗(のぞ)くとこの世のものとは思えない、本当に驚くべき光景が広がっている」
スキルトンさんは、最終的には微妙なバランスに行き着くと語る。「訪問者の数が増えれば、機会も責任も生まれる。全ての訪問者がこの場所の重要性を理解し、影響を最小限に抑えるために必要な措置を講じることが不可欠だ」