ビンラディン暗殺作戦、内幕本執筆の元特殊部隊員の身元判明
ワシントン(CNN) 国際テロ組織アルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者の暗殺作戦に直接参加した米海軍特殊部隊の元隊員が作戦の詳細などを描いた書物を今秋出版する問題で、米フォックステレビ(電子版)は25日までに元隊員の実名や戦闘服姿の画像を伝えた。これを受けAP通信も元隊員の実名を報じた。
この書物は「No Easy Day:The Firsthand Account of the Mission That Killed Osama bin Laden」で、元隊員が「マーク・オーウェン」のペンネームで執筆した。
米紙ニューヨーク・タイムズによると、書物を出版する米ダットン社は実名が暴露された後に声明を発表し、ペンネームの使用は執筆者や家族の安全を図るためのものとし、報道機関に実名報道を控えるよう求めた。
米国防総省は、執筆者の実名を尋ねるメディアの問い合わせに対しては個人の身の安全を確保するため本名を明らかにしないよう要請。同省高官によると、フォックスは今回の実名報道に当たり国防総省への事前連絡はしなかった。AP通信は、国防総省は同通信に対し実名報道を差し控えるよう求めなかったと報じた。
国防総省高官によると、書物執筆の元隊員は10年以上の軍歴を持ち、今年4月に退役した。ビンラディン容疑者の暗殺作戦に関する書物出版については、著者と出版会社は同省に原稿を閲覧させなかったと指摘。この手続きは、書物に含まれる機密情報などの漏えい防止に必要な措置としている。
書物の中に軍や情報機関の機密情報があった場合、著者は司法省に起訴される可能性もある。