米歳出の強制削減、オバマ大統領が署名
(CNN) オバマ米大統領は1日夜、米政府の支出を今後10年間で計1兆2千億ドル(約110兆円)強制的に削減する大統領令に署名し、強制削減が発効した。
オバマ大統領はホワイトハウスで、民主、共和両党の議会幹部らと強制削減の回避に向け、約45分間協議した。大統領は、税の抜け穴をふさぐなど、富裕層への課税強化と歳出削減の組み合わせを主張したのに対し、共和党側は、大統領と民主党はコストのかかる給付金制度の改正など、歳出削減のための真剣な案を提示していないとし、結局合意には至らなかった。
大統領は記者会見で「我々はこれを乗り切る」とし、「世の終末という人もいるが、そんなことはない。これはばかげた歳出削減で、痛みを伴う」と述べた。
米司法省は、職員に数カ月間の無給休暇を命じる可能性があるとの通知を送付した。削減措置が停止されるか代替措置が講じられない限り、他の省庁でも同じように職員の自宅待機や行政サービスの縮小を余儀なくされる。軍関係者からは、防衛力の低下を懸念する声も上がっている。
しかし、歳出削減の影響が本格化するのは早くても4月以降となりそうだ。
歳出削減は9月末までの2013会計年度から適用され、国防費が13%、国防費以外が約9%削減される。
今後、オバマ大統領と議会幹部らは、歳出削減の代替措置の検討と平行して、27日に失効する13会計年度の暫定予算の延長に向け協議を行う。暫定予算が失効すると予算の執行が不可能となり、政府機関の閉鎖を余儀なくされる。
暫定予算の延長問題と歳出強制削減は直接関係ないが、オバマ大統領は2つの問題を同時に解決できる広範な合意を成立させたい考えだ。