記憶喪失の元米軍人、スウェーデンへ 元恋人が支援
「ここで普通の生活をしたい。そして記憶を取り戻すことができれば」と、ボートライトさんは話す。
スウェーデンへの片道チケットは、カリフォルニア州リバーサイド郡の精神衛生当局が手配した。スウェーデンで住む場所はエスプリングさんが用意していた。記憶が戻ったらテニスのインストラクターとして働きたいと話す。
2人は30年近く会っていなかったが、エスプリングさんはスウェーデン紙の記事でボートライトさんに気付いた。ボートライトさんはエスプリングさんに、「どうしてこんなによくしてくれるのか」と尋ねるという。「私が新聞に載っているのを見つけたら、彼も同じことをしてくれると思うから。とても心の広い、素晴らしい人なのです」と、エスプリングさんは強調する。
一方、エスプリングさんへの思いを尋ねられたボートライトさんは「体の中が温まる感じ」と答えた。共有した時間の記憶はなくても、感情の名残は生き続けているようだ。