元失踪男性、法律上の「死亡」覆らず 米オハイオ州
(CNN) 1980年代に失踪し、その後法律上の死亡宣告を受けたものの生存していた米オハイオ州の男性が、死亡宣告の取り消しを求めていた裁判で、同州の裁判所は10日までに、男性の求めを認めない決定を下した。
この男性はドナルド・ミラーさん(61)。元妻ロビンさんの弁護士によれば、ドナルドさんは1986年に失業後、ロビンさんと2人の子どもを残して失踪。8年後の94年に法律上の死亡宣告の手続きが取られた。
ドナルドさんは2005年ごろ自分が法律上死亡扱いになっていると知らずにオハイオ州に戻った。そして死亡宣告によって失った社会保障番号を取り戻したいと考えたという。
だが弁護士によれば、オハイオ州法では、死亡宣告後3年を経過した場合、宣告を覆すことはできないことになっている。裁判所の決定もこの規定に基づいたものだった。
アラン・デービス判事はCNNに対し「これまで40年以上、出会ったことのない事例だったが、法律の規定がある以上、結論は明らかだ」と語った。
弁護士によれば94年の死亡宣告後、ロビンさんは子どもの養育費として社会保障制度から死亡給付金を受け取った。もし死亡宣告が取り消されれば給付金を返還しなければならない可能性があったため、今回の裁決にロビンさんはほっとしているという。