米記者の最後の「手紙」 同室の人質が記憶して遺族に伝える
(CNN) イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に殺害された米国人ジャーナリスト、ジェームズ・フォーリー氏の遺族は24日、同氏が拘束中に書いたとされる家族あての手紙を公開した。
遺族によると、手紙はフォーリー氏が今年6月に書いた。文書を送ろうとしても没収されてしまうため、解放が決まった別の人質に文面を暗記するよう頼んだとされる。
フォーリー氏はこの中で、父親と買い物に行ったり母親とサイクリングに出かけたりした思い出を振り返り、拘束中の生活についても詳しく述べている。同じ部屋に入れられた人質18人で映画やスポーツの話をしたり、ゲームをしたりして気を紛らわせていたという。
拘束生活はこの時点で1年半に及んでいた。同氏はきょうだいに「楽しい思い出をありがとう」と告げて自分の財産の分け方を指定するなど、死を覚悟したような姿勢を示す一方、祖母には「元気でいてください。私が元の生活を取り戻すにはあなたの助けが必要になるから」と語り掛けていた。
米当局者がCNNに語ったところによると、米軍は7月上旬、過激派の人質となっているフォーリー氏らの救出作戦を試みていた。シリアへ特殊部隊のヘリコプターを送り込んだものの、だれも見つけることができず、作戦は失敗に終わったという。
またフォーリー氏と契約を結んでいたニュースサイト「グローバル・ポスト」のバルボニ最高経営責任者(CEO)によれば、ISはフォーリー氏を解放する条件として1億ユーロ(約138億円)の身代金を要求したり、同氏の殺害を予告するメールを家族に送り付けたりしていた。