黒人少年射殺の追悼デモで銃撃、1人重体 非常事態宣言も 米
米ミズーリ州ファーガソン(CNN) 米ミズーリ州セントルイス郡のファーガソンで黒人の少年、マイケル・ブラウンさんが白人警官に射殺された事件から1年を迎えた9日、追悼デモで警官に発砲したとされる18歳の少年が警官の反撃で重体となった。10日にはセントルイス中心部のデモで数十人が逮捕され、郡当局は非常事態宣言を出した。
ファーガソンでは9日の日中、平和的な行進が行われたが、夜になって銃撃戦が発生。警察の話によると、少年は発砲後に現場から逃走し、追いかけた警察車両を銃撃した。車から降りた警官らに向けてさらに発砲したため、警官側が何度か撃ち返した。少年は警察に対する暴行などの疑いがかけられ、重体で入院中。発砲したのは盗んだ拳銃だったとの情報もある。
一方、少年の家族は本人が銃を持っていたことを否定し、「危険を感じて逃げようとしただけ。警官に発砲した事実はない」と主張している。家族によれば、少年は昨年射殺されたブラウンさんの友人だったという。
ファーガソンでの暴動は10日にかけて続き、警官らが物を投げ付けられるなどして負傷した。セントルイス郡長官は「このような暴力は容認できない」との声明を出し、非常事態を宣言した。
セントルイス市内では10日、約200人が人種差別に抗議し、連邦裁判所へ向かってデモ行進した。警察の報道官がCNNに語ったところによると、デモの参加者56人が逮捕された。