オバマ大統領、最後の一般教書演説 「明るい未来」を強調
「政治家がイスラム教徒を侮辱し、モスク(イスラム教礼拝所)が襲われ、子どもがいじめられるような状況によって、我々の安全は強化されない」「それは世界の目に映る米国をおとしめ、我々が目指すゴールを遠ざけ、国としての存在意義を裏切る間違いだ」と述べた。
また与野党の激しい対立が続く国内の政治体制については、「民主主義には市民同士の根本的な信頼関係が必要だ。意見を異にする相手は全て悪意で動いていると決めつけ、対立相手を愛国心に欠けると非難するような状況では成立しない」と語った。
続いて「党派間の敵意や不信感が改善するどころか悪化してしまったのは、在任中の数少ない心残りのひとつだ」と、自身の力が及ばなかったことを認めた。そのうえで選挙制度改革などの必要性を訴え、市民一人ひとりが立ち上がって行動を起こさなければならないと呼び掛けた。
演説の最後には、投票所に並ぶ市民たちやボランティアたちの姿に言及し、「これが私の知る米国、我々の愛する国だ。澄んだ目と大きな心を持ち、武力によらない真実と無条件の愛が最後に勝つことを信じている国。だからこそ、私はこうして将来への希望を抱くことができる。あなた方のおかげだ。私はあなた方を信じている。だから私は今、国家の現状は強いという確信を持ってここに立っている」と、力強く結んだ。