討論会ボイコットのトランプ氏、退役軍人の支援集会を開催
米アイオワ州デモイン(CNN) 米大統領選で共和党の指名獲得を目指す実業家ドナルド・トランプ氏は28日、アイオワ州で予定されていた同党の候補者討論会を欠席し、同地で退役軍人への募金集めのイベントを開催した。
同氏は討論会を主宰するフォックス・ニュースとの確執が決定的になったとして、これをボイコットすると明言していた。
討論会の開始から20分後、トランプ氏はアイオワ州デモインにあるドレイク大学の講堂の壇上に立ち、駆け付けた数百人の支持者に向かって、この日のイベントで600万ドル(約7億2000万円)以上の募金が集まったと報告した。
いつもの攻撃的な口調は影を潜め、イラクやアフガニスタンから帰還した退役軍人が直面する医療や住宅、薬物乱用、心の病などの問題を指摘。「我々の退役軍人が不遇を受け、不法移民の方がいい待遇を享受している」と主張した。
同氏はプライベートジェットの機内でCNNの取材に応じ、自身をからかうような内容の声明を出したことについてフォックス側から謝罪があったことを明らかにした。フォックスはトランプ氏を討論会に出席させようと「これ以上ないほど丁寧な」態度を示したが、同氏は「もう手遅れだ」として退役軍人のためのイベントを開催したという。
一方、フォックスの広報担当者は同社のロジャー・エイルズ最高経営責任者(CEO)が28日、トランプ氏と短い会話を交わしたと述べた。同担当者は「会話を通じ、当社の皮肉な見解に対してトランプ氏が抱く懸念について認識するに至った。ただそうした見解は、当社のアンカーであるメーギン・ケリーへの中傷に歯止めをかけるためのものだった」と説明した。
トランプ氏は昨年8月の討論会で、司会を務めたケリー氏から厳しく問い詰められたことに反発。同氏を「偏向しており司会にふさわしくない」と非難していた。