反主流派に追い風――米大統領選、アイオワの結果が示すもの

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昨年までの予想を覆し、今やクリントン氏を脅かす存在となったサンダース氏

昨年までの予想を覆し、今やクリントン氏を脅かす存在となったサンダース氏

一方、民主党は1日深夜の時点でもヒラリー・クリントン前国務長官とバーニー・サンダース上院議員の得票率の差が1ポイントに満たないという接戦になった。

わずか2~3カ月前には、「民主社会主義者」を名乗るサンダース氏がクリントン氏を脅かす存在になることなど全く予想されていなかった。クリントン氏は2008年大統領選で最有力候補とされながら初戦のアイオワ州を落とし、その後失速してオバマ現大統領に敗れた経緯がある。

今回の選挙でサンダース氏が民主党有権者の心に直接訴え、支持を集めているのは明らかだ。クリントン氏は08年の悪夢を繰り返さないよう、選挙戦を強化する必要がある。

要するにアイオワ州で確認されたのは、両党とも有権者に落ち着きがなく、一匹狼型の候補が争いの主導権を握っているということだ。

08年にアイオワ州で共和党党員集会を制したマイク・ハッカビー元アーカンソー州知事の例をみるまでもなく、同州で勝ってもその後の快進撃が保証されるわけではない。しかし共和党のクルーズ氏とトランプ氏、民主党のサンダース氏の戦いぶりから、反主流派には強い追い風が吹いていることが分かる。

9日に両党の予備選が開かれるニューハンプシャー州はアイオワ州よりはるかに無党派層が強く、票の行方が読みにくいことから、一層の波乱が予想される。

本記事はプリンストン大学のジュリアン・ゼリザー教授によるものです。記事における意見や見解はすべてゼリザー氏個人によるものです。

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