5州の予備選を終えて――15日の結果を分析
3.ケーシック氏の遠い道のり
ケーシック氏は「勝者総取り」方式の地元オハイオを制し、一挙に代議員66人を獲得した。トランプ氏を破ったことは注目に値するが、同氏が勝った州はオハイオが初めて。今後の見通しは決して明るくない。
ケーシック氏はニューハンプシャー、ミシガン両州にも力を入れたが、いずれも勝利を逃している。この後期待できるとすれば、7月の党大会まで生き延び、穴馬として躍り出るシナリオだろう。
しかしトランプ氏や2番手のクルーズ氏からの攻撃は、今後さらに激しさを増すことが予想される。また、敵の多かった議員時代のイメージが災いする恐れもある。
今後の指名レースでは、比例配分方式のニューヨーク、コネティカット、オレゴン、ワシントンや、勝者総取り方式のウィスコンシン、メリーランド、ペンシルベニア、インディアナ、カリフォルニアで代議員数を積み上げていきたい構えだ。
さらにケーシック陣営によると、フロリダでの敗北を受けて撤退を表明したルビオ氏が獲得していた代議員は、党大会でケーシック氏支持に回る見通しだという。
4.党大会までもつれ込む可能性
トップのトランプ氏が今回も大勝を収めたとはいえ、共和党の指名争いが党大会までもつれ込む可能性はまだ残っている。
ケーシック氏がオハイオで代議員66人を獲得したことは、トランプ氏にとって痛手だった。これまでに実施された27州の予備選、党員集会で、トランプ氏は集計中のミズーリ州を除き18勝。指名確保に必要な代議員数の1237人まで到達するには、残る代議員のうち約6割を獲得する必要がある。クルーズ氏とケーシック氏がレースを続行する状況の中で、これは容易なことではない。
トランプ氏は15日夜、フロリダでの演説に党内の反対勢力を意識した発言を盛り込み、「党を団結させなければならない」と強調した。