「硫黄島に星条旗」、米兵1人は別人と判明 米海兵隊が発表
ワシントン(CNN) 米海兵隊は25日までに、第2次世界大戦中に旧日本軍との激戦地となった硫黄島の摺鉢(すりばち)山に米軍兵士6人が星条旗を立てる有名な報道写真をめぐり、うちの1人がこれまで発表されていた人物とは別人だったことが判明したとの調査結果を明らかにした。
写真は1945年2月23日に撮影されたが、70年後に6人のうちの1人の身元に疑問が生じ、ロバート・ネラー海兵隊司令官が調査チームを設け、真相解明に当たらせていた。
この結果、海軍衛生兵のジョン・ブラッドリー氏だとみられていた人物は撮影時に現場にはおらず、米ミシガン州デトロイト出身の海兵隊1等兵のハロルド・シュルツ氏だったことが突き止められた。シュルツ氏は1995年に死去したが、写真の中の1人が自らであることを公の場で明かしたことは一切なかったという。
ネラー司令官は声明で「歴史は我々にとって重要であり、正しい記録を残す責任を担っている」と述べた。声明によると、海兵隊の調査チームは退役将官が仕切り、現役や退役の海兵隊員の他に軍事問題の歴史家2人が加わった。
ジョン・ブラッドリー氏の子息であるジェームズ・ブラッドリー氏は父親と星条旗掲揚に関するベストセラーの書物「父親たちの星条旗」を著したが、6人の中の1人が父親だったことについて確信を抱けなかったことを認めてもいた。この書物は、クリント・イーストウッド監督が映画化してもいた。
写真はAP通信のカメラマンだったジョー・ローゼンタール氏が撮影したもので、同年のピュリツァー賞にも輝いていた。