連邦所得税納めないトランプ氏は「天才」 元NY市長が称賛
ワシントン(CNN) 米共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏が連邦所得税を納めていないのではないかとする観測が流れるなか、元ニューヨーク市長のルドルフ・ジュリアーニ氏は2日、CNNの番組に出演し、トランプ氏を「天才」と呼んだ。米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)はトランプ氏が約20年にわたって合法的に税の支払いを避けているのではないかと報じていた。
ジュリアーニ氏は、これが米国の税制の一部だと指摘。「トランプ氏は、彼が奉仕する人々のためにどうやって税法を操作するのかを知っている」と述べた。
NYT紙の報道によれば、トランプ氏は1995年の納税記録で9億1600万ドルの損失を計上。専門家によれば、このことで18年間にわたり所得税を支払わずに済む計算になるという。
NYT紙が入手したのは、トランプ氏がニューヨーク州居住者として提出した納税申告書と、ニュージャージー、コネティカット両州で非居住者として提出した納税申告書の計3ページ分。
CNNではこれらの書類について独自に信憑性(しんぴょうせい)を確認できていない。しかし、トランプ陣営はNYT紙が報じた事実について異議を唱えていない。
ジュリアーニ氏は、トランプ氏が連邦所得税を支払っていなかったからといって責められることはないと指摘。今回の件が示すのは、トランプ氏が事業体を維持し、構築することができたということだとの見方を示した。
ジュリアーニ氏はまた、1年で9億1600万ドルの損失を出した人物を優秀な実業家と呼ぶのは議論の余地があるのではという質問に対しては、言えると言明。「なぜなら、トランプ氏は復活したからだ」と指摘。アップルに一度は解雇されたが復活を遂げたスティーブ・ジョブズ氏や、選挙に落選しても最終的には首相として第2次世界大戦で英国を勝利に導いたウィンストン・チャーチル氏を引き合いに出し、トランプ氏を擁護した。