米国防長官と国家情報長官、NSAトップの更迭要求
ワシントン(CNN) 米国のカーター国防長官とクラッパー国家情報長官がオバマ大統領に対し、通信傍受などの任務に当たる情報機関の国家安全保障局(NSA)のマイケル・ロジャーズ局長(海軍大将)の更迭を求めていることが20日までにわかった。
この問題に詳しい米政府当局者がCNNに明らかにした。米情報機関が自国に対するサイバー攻撃の脅威を再三警告している時期に高官であるNSA局長の交代を要請するのは異例の措置となっている。
この問題を最初に報じた米紙ワシントン・ポストによると、ロジャーズ氏の更迭要求はオバマ氏に先月伝えられた。ロジャーズ氏がサイバー攻撃の脅威に対処し得る必要不可欠な組織再編に迅速に取り組まなかったことを主要な理由としているという。
米政府当局者によると、オバマ政権はNSAの指揮は文官に任せ、別の機関である「サイバー司令部」は軍人に仕切らせる方針を望んでいる。ただ、現在はロジャーズ氏が両組織を2014年4月から率いている。
当初の計画では、ロジャーズ氏が組織再編を発表した後、必要な人事を実施し、同氏が退任する予定だったとしている。ポスト紙によると、ロジャーズ局長の組織指導の手法には不満も出ていたという。
一方で、CNNが先に伝えたように、同氏はドナルド・トランプ次期大統領が進める国家情報長官人事で候補者の1人に浮上している。今月17日には個人的な旅行の名目でトランプ氏と会談し、多くのオバマ政権高官を驚かせていた。