米ボストン連邦地裁、入国制限の差し止め延長認めず
ワシントン(CNN) 中東など7カ国からの米入国を一時的に禁止する大統領令をめぐり、米マサチューセッツ州ボストンの連邦地裁は3日、同州での合法的な外国人渡航者の拘束や送還を禁じた一時差し止め命令を延長しない判断を示した。トランプ政権にとって同大統領令をめぐる初の法廷での勝利となった。
大統領令はイラク、シリア、イラン、リビア、ソマリア、スーダン、イエメンの7カ国からの米入国を一時的に禁じるもの。米政府は同日、この7カ国からであっても一部の市民は特別な条件の下入国可能だと発表し、大統領令の内容を明確にした。
マサチューセッツ州での一時差し止め命令は同州の連邦地裁判事らにより先月29日に出され、今月5日まで有効とされている。
だが別の連邦地裁判事は3日、ホワイトハウスの法律顧問が合法的な永住権保持者らには入国禁止措置は適用されないと説明したことを踏まえ、原告らに訴えの利益がないとの判断を示した。
同判事はさらに、複数のイラン国籍の保持者など他の原告は本案での勝訴の見込みを示せず、差し止め命令の延長は現時点では正当化できないと結論づけた。
ただ、米自由人権協会(ACLU)などの弁護士は同大統領令について引き続き争う意向を示している。
一方、米ワシントン州では同日これより遅く、連邦地裁判事が同大統領令の一時差し止めを命じる判断を示した。この判断の効力は全米に及ぶ。トランプ政権はこれに対する反応をまだ示していない。