(CNN) 時として緊張が高まるペルシャ湾に展開する米海軍艦に、世界で初めてレーザー兵器が実戦配備された。CNN取材班は、同兵器でドローンを破壊する実射実験を単独取材した。
海軍のドック型輸送揚陸艦「ポンス」に実戦配備されたレーザー兵器システムは、頭文字を取って「LaWS」と呼ばれる。クリストファー・ウェルズ艦長は同兵器について、「弾丸よりも精度が高い」と指摘。「軍に行き渡っている他のニッチ兵器システムは、それぞれ上空で接触する相手のみ、あるいは海上の目標のみ、または地上の目標のみに対してしか通用しない。だが今回の兵器は多様な目標に対して使用できる」と解説する。
LaWSには文字通り光の速さで標的に迫るという、他の兵器にはまねできない特徴がある。この速度は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の5万倍に相当する。
レーザー兵器担当のケール・ヒューズ大尉によると、LaWSは接近してくる物体に対して大量の光子を放つ。「風の心配も射程の心配も、ほかに何の心配もいらない。光速で目標に対峙できる」という。
実射実験ではまず、ポンスの乗員がドローンを発進させた。ドローンは、イランや北朝鮮、中国、ロシアといった国が利用するケースが増えている。
無人機が発進すると、直ちにレーザー兵器班が照準を合わせる。「目標を見て照準を合わせれば、その目標を無力化できる」(ヒューズ大尉)
一瞬のうちにドローンの翼が炎上し、機体は数千度の熱にさらされて損傷、海上に墜落した。