米、ロシアに領事館などの閉鎖通告 制裁巡る対抗措置
(CNN) 米政府は31日、ロシアに対しサンフランシスコの領事館およびワシントンとニューヨークの公館の一部閉鎖を通告した。
ロシア政府は7月、対ロシア制裁強化法案が米議会を通過したことへの対抗措置として、ロシアに駐在する米外交スタッフの数を半分近く減らすよう米国に命じるとともに、国内の米外交施設2カ所の接収を伝えた。今回の閉鎖通告は、これに対する対抗措置だ。
米国務省のナウアート報道官は声明で、ロシア政府による外交官らの削減命令は「両国関係全体にとって不当で有害」との見方を示した。そして対抗措置として「ロシア政府にサンフランシスコ領事館、ワシントンにある大使館別館およびニューヨークの領事館別館の閉鎖を求める」と述べた。
ホワイトハウスのサンダース報道官は今回の領事館などの閉鎖はトランプ大統領が直接決めた措置であると説明。「これは大統領が下した決断だ」と強調した。
ロシア外務省は声明で、ラブロフ外相に対しティラーソン米国務長官から直接、電話で通告があったと認めた。同外相は「両国関係の緊張の高まりに遺憾の意を表明したうえで、こうした事態はロシアに起因するものではないとの見方を示した。またロシア政府は米国から通告された新たな措置について慎重に検討した上で対応を知らせる旨を伝えた」という。
米政府高官によれば、今回の措置によりロシア外交官が国外退去になることはなく、米国内に残る別の公館で働くことも可能だ。この高官によれば、閉鎖となるワシントンとニューヨークの施設は通商部門が使用しているという。