米イージス艦衝突2件、「回避可能」だった 海軍が報告書

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横須賀に戻ってきたフィッツジェラルド=6月

横須賀に戻ってきたフィッツジェラルド=6月

ワシントン(CNN) 米誘導ミサイル駆逐艦と民間船舶が今夏に相次ぎ衝突し計17人の海軍要員が死亡した問題で、米海軍は1日、2件の事故についての調査報告書を公表し、両事故とも「回避可能」だったと結論付けた。いずれの衝突においても、両艦の乗組員や司令官らによる多くのミスがあったとしている。

事故では誘導ミサイル駆逐艦「フィッツジェラルド」が6月17日、日本東岸沖で貨物船と衝突し、乗組員7人が死亡。8月21日には、同駆逐艦「ジョン・S・マケイン」がシンガポール沖で商船と衝突し、乗組員10人が死亡していた。

海軍は今回の報告書の中で、フィッツジェラルドの事故について、上層部や見張り担当の乗組員の側で多くのミスがあったと指摘。

ミスの内容としては、安全計画の不備、適切な航行慣行を順守するのを怠った点、基本的な見張り作業を行うのを怠った点、利用可能な航行機器を適切に使用していなかった点、緊急事態にあたり慎重かつ効果的に対応しなかった点を挙げた。

そのうえで「この事故につながった決定の多くは、艦長による軽率な判断と意思決定の結果として生じたものだ。ただ、この事故に関してただ1人の人物が全責任を負っているわけではない」として、こうした状況への乗組員の準備不足なども指摘した。

一方、ジョン・S・マケインの事故の主要な原因としては、同艦の運航ミスに対応した際の状況認識の不十分さ、衝突の可能性が生じた場合の操舵(そうだ)方法に関する国際的な海洋規範に従うのを怠った点、一部の乗組員が同艦のシステムに十分に精通していなかった事実などを挙げている。

両艦の衝突事故を受け、海軍第7艦隊の司令官や、フィッツジェラルドの艦長と副艦長、ジョン・S・マケインの艦長と副艦長ら計8人の上層部が解任された。

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