香港在住の元CIA職員、米入国時に逮捕 極秘情報保持容疑
ワシントン(CNN) 米中央情報局(CIA)に10年前まで勤務し、退職後も工作員の実名リストなど極秘情報を手書きしたメモ帳を隠し持っていたとして、香港在住の元職員が逮捕されたことが分かった。米司法省が16日に発表した。
発表によると、ジェリー・チャン・シン・リー容疑者(53)は15日夜、米ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港で逮捕され、16日に同市ブルックリンの裁判所へ初めて出廷した。
国防にかかわる情報を不法に保持していた疑い。有罪となれば、最大で禁錮10年の刑を言い渡される可能性がある。
リー容疑者はスケジュール帳やアドレス帳に、CIA職員や覆面工作員の実名と電話番号、秘密施設の住所、作戦に関するメモなど、漏出すれば米国の安全保障に極めて重大な支障をきたす恐れのある極秘情報を書き込んでいた。
リー容疑者は米市民権を持ち、CIAに工作担当要員として勤務。1994年から2007年に退職するまでの間、極秘情報を取り扱う権限を与えられていた。その後は香港に住んでいるが、12年8月から13年6月まで家族とともに米バージニア州に滞在した。
米連邦捜査局(FBI)は12年、渡航した同容疑者が滞在していたホテルの部屋を捜索し、旅行用の透明な袋に入ったメモを発見していた。
同容疑者は13年に出国してから15日の逮捕まで、米国に戻っていなかったという。