ホワイトハウス、FBI長官の辞任を懸念 下院委員会のメモ公開で
ワシントン(CNN) 米連邦捜査局(FBI)がロシアによる大統領選介入疑惑の捜査で職権を乱用したと共和党議員らが主張している問題で、「職権乱用」について書いたメモの公開をめぐり、ホワイトハウス高官がメモが公開されればレイFBI長官が辞任する可能性もあると懸念していることが2日までに分かった。事情に詳しい複数の情報筋がCNNに明らかにした。
捜査当局幹部によれば、メモに関するレイ氏の助言は軽視され、FBI指導部の偏向を示すものと位置づけられているという。レイ氏は、トランプ大統領がコミー前FBI長官の解任後に自身を起用したことにいらだちを隠していない。
情報筋の1人は、レイ氏はメモ公開の可能性をめぐりトランプ氏と衝突したが、辞任を直接ほのめかすには至っていないと明かした。
メモは下院情報委員会のニューネス委員長(共和党)がまとめたもの。メモ公開の可能性が出ていることを受け、トランプ氏とFBIや司法省との間では対立が生じている。
トランプ氏はマラー特別検察官の捜査に対抗する動きの一環として、メモ公開に前向きな姿勢を示しているものの、ホワイトハウス高官は、トランプ氏と法執行当局者の双方を満足させる案を模索している。
今回の件について報告を受けた人物によれば、ホワイトハウスはメモの公開を承認し、正式な公開については下院情報委員会に判断を委ねる計画。公開内容を一部制限することで問題解決につながる可能性もあると見ているという。
情報筋によれば、FBI内部ではレイ氏がトランプ氏に立ち向かっていることを肯定的に受け止めている。FBIは1月31日、メモに関して「深刻な懸念」を抱いているとの異例の声明を発表した。