目の中で動く寄生虫、牛から人へ初の感染確認 米CDC
(CNN) 目に不快感を覚え、まつ毛が入ったと思って引っ張ったら、体長1センチ以上もある半透明の寄生虫が、くねくね動きながら出てきた――。米疾病対策センター(CDC)が12日に発表した報告書で、そんな症例を明らかにした。
北米で目の寄生虫に感染した症例はアビー・ベックリーさん(28)で11例目。しかし、牛に感染する寄生虫の人への感染が確認されたのは初めてだった。
米オレゴン州に住むベックリーさんは、目から出てきた寄生虫について、「よく見たら動いていた。それから5秒ほどで死んだ」と振り返る。しかも目の中にいたのはその1匹だけでなく、2016年8月の3週間の間に、計14匹も出てきたという。
オレゴン州の牧場で牛や馬に囲まれて育ったベックリーさんは2016年7月、アラスカの漁船で働き始めて2週間後、目に不快感を覚えるようになり、目が赤くなってまぶたが垂れ下がる症状や、片頭痛の症状に見舞われた。
症状が現れてから5日後に船が帰港し、鏡で目をのぞき込んだところ、皮膚に異常があり、爪の先で引っ張ると、寄生虫が出てきたという。
近くの医院や眼科医を受診しても「こんなものは見たことがない」と言われるばかり。その間にも、さらに4匹を目から引っ張り出していて、「自分の目の上で(寄生虫が)動き回るのが見えた」という。
オレゴン州へ戻ったベックリーさんは大学病院を受診して、目の中の寄生虫を確認してもらった。しかし病院でも取り除くことはできなかった。