トランプ氏、「最も重い」対北朝鮮制裁を発表
ワシントン(CNN) トランプ米大統領は23日、財務省が北朝鮮に対し「最も重い」新制裁を科したと発表した。北朝鮮政府をさらに孤立させる取り組みの一環として、同国の海運・貿易企業や船舶を主な制裁対象とする内容。
複数の政権高官は同日、記者団に、トランプ氏は「保守政治活動会議(CPAC)」での演説で新たな対北朝鮮制裁に言及する方針だと説明。制裁に関する内容が演説の見せ場になるとしていた。
ただ、トランプ氏は演説の最後で短く制裁に触れるにとどめ、「我々は今日、米国による史上最も重い制裁を科した。何か前向きなことが起こればと望んでいる」などと述べた。
今回の制裁対象は27団体と船舶28隻で、その登記や船籍は北朝鮮、中国、シンガポールなど複数の国にある。
米政府はこのほか、台湾人1人も制裁対象とした。この人物はロシアを拠点とする北朝鮮の仲介業者と組み、北朝鮮からの石炭輸出を手配していた。財務省によれば、制裁逃れの活動を行った経歴があるという。
ムニューシン財務長官は同日の声明で、「米国は北朝鮮が制裁逃れに利用している全ての違法手段を積極的に摘発していく」と言及。こうした措置の一環として、北朝鮮の利益のために活動する世界中の船舶や海運企業、団体を阻止するため、断固たる行動を取っていくと明らかにした。
財務省などはまた、関連業界に対し、監視の目を欺く北朝鮮の海運活動に関して注意を促した。北朝鮮は同国の船舶に表示されている情報を偽造したり隠したりして、船舶間の積み替えを行っていることで知られる。
ムニューシン財務長官は、トランプ大統領が北朝鮮の核開発を資金的に援助する企業に対し、米国との取引を認めないと明言していることに言及。別の当局者も、今回の制裁のポイントは、世界各国に対し、北朝鮮とのビジネスのコストを引き上げることにあると語った。