退任のマクマスター補佐官、最後の講演でロシアを厳しく批判
(CNN) トランプ米大統領に事実上更迭され、退任が決まっているマクマスター補佐官(国家安全保障問題担当)は3日、在任中最後となる講演の中でロシアの活動を厳しく批判し、同国に対して「我々はこれまで十分な代償を課すことができなかった」と指摘した。
マクマスター氏は首都ワシントンを訪れたバルト3国の首脳らとともに、外交政策シンクタンク「アトランティック・カウンシル」の会合に出席。首脳らとの質疑応答を含む講演の中で、「ロシアは我々の開かれた社会を弱めようと、新旧さまざまな手段で攻撃を仕掛けてきた」と語った。
一部の国々は長年、この活動を黙認してきたと指摘し、ロシアによる米国や同盟国へのサイバー攻撃、軍用機などの危険な進路妨害を例に挙げた。黙認の結果、ロシア政府は「自信を強めている」とも警告した。
同氏は一方で、英国でロシアの元スパイらが襲われた暗殺未遂事件を受け、トランプ政権がロシア外交官を追放した対抗策は、非常に効果的だと強調した。
追放された外交官らはロシアによる米政治への介入を指揮してきたと述べ、シアトルにあるロシア総領事館の閉鎖と合わせて、ロシアが偽情報を流したり、選挙に干渉したりする活動を阻止する効果が期待できると語った。
「ロシアのプーチン大統領はこの新しい戦争に勝っていると考え、我々自由国家が弱くて対抗できないと思っているかもしれないが、それは間違いだ。ロシアからの攻撃によって、我々は決意と自信を一層強めている」と力説した。
マクマスター氏の後任には来週、保守系のFOXニュースで解説者を務めてきたジョン・ボルトン元国連大使が就任する。